現実と作り物、どっちが本物?
人は現実を生きている。
学校に行ったり、仕事をしたり、ご飯を食べたり、寝たりする。
ゲームをしたり、漫画を読んだり、アニメを見たりもする。
学校で勉強する。
仕事でお客さんと打ち合わせをする。
ご飯を食べる。
眠る。
こういうものは現実世界で起きている。
一方で、ゲームや漫画やアニメは、誰かによって作られた世界の中の話だったりする。
でも、作り物だからといって何も感じないわけではない。
ゲームに熱中することもある。
漫画を読んで泣くこともある。
アニメの登場人物の言葉が、何年も心に残ることもある。
現実世界で経験したことによって、自分という人間が少しずつ形作られていく。
でも考えてみると、作られた世界で経験したことも、現実の自分を形作っている。
落ち込んだときに作品に救われたり。
登場人物の考え方を見て、自分のものの見方が変わったり。
ゲームで経験したことをきっかけに、現実で何かを始めたり。
そういうことは普通に起こる。
では、作られた世界とは何なんだろう。
ゲームも漫画もアニメも、何もないところから生まれているわけではない。
人間の感情や生活、社会、人間関係、景色、音、歴史。
現実世界にあるものを材料にして作られている。
ただし、現実をそのまま全部写しているわけではない。
必要な部分を取り出して強調する。
見せたいものを丁寧に作り込む。
その一方で、必要のない部分は大胆に削る。
そうして、現実を材料にした虚構の世界ができあがる。
そして今度は、その虚構の世界を見た人が何かを感じる。
その人の考え方が変わる。
現実での行動が少し変わる。
つまり、
現実から作り物が生まれて、
作り物からまた現実が変わっていく。
そう考えていると、だんだんわからなくなってくる。
現実は本物で、作り物は偽物。
本当にそんなに簡単に分けられるんだろうか。